「Blimey」はイギリスの口ぐせ。ハグリッドの言葉で学ぶ会話表現7選
2026/10/24
『ハリー・ポッターと賢者の石』の第4章は、ハグリッドがハリーに魔法界のことを語る長い夜の場面です。ハグリッドのせりふには、イギリスの口語らしい単語がたくさん出てきます。
この記事では、これまでの3本で取り上げなかった表現を7つ選びました。Blimey や reckon のように1語でイギリスらしさが出る言葉も入れています。
アメリカ英語で別の言い方をするものには、その言い方も添えました。
ハグリッドの口ぐせに出てくる7つの表現
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| Blimey | うわっ、まいったな |
| codswallop | たわごと |
| reckon | 〜だと思う |
| be keen to ~ | 〜したくてたまらない |
| It's getting late. | もう遅くなってきた |
| and that | 〜とか |
| kip | ひと眠りする |
原作の引用はすべて J.K. Rowling『Harry Potter and the Philosopher's Stone』Chapter 4 からです。和訳は筆者によるものです。
① Blimey|うわっ、まいったな
例のあの人について話そうとして、ハグリッドはなかなか言葉が出てきません。
Blimey, this is difficult
まいったな、こいつは難しい
Blimey は驚いたときや困ったときに思わず出る「うわっ」「まいったな」というイギリスの口語です。良い驚きにも悪い驚きにも使えます。
アメリカではあまり使わず、Wow や Geez が近い言い方です。年齢を問わず今もよく聞く、イギリスらしいひと言です。
Blimey, that was a long queue!
うわっ、すごい行列だったね!
19世紀後半:(God) blind (or blame) me! の変形形。
驚きを表す言葉
Blimey! How on earth did she say that to you without a blush?
うわっ!彼女が顔を赤らめずにそんなことを君に言うなんて、いったいどういうことだ?
② codswallop|たわごと
例のあの人は死んだという説について、ハグリッドはきっぱり否定します。
Codswallop, in my opinion
わしに言わせりゃ、たわごとだ
codswallop は「ばかげた話」「たわごと」という意味のイギリスの口語です。相手の話を「そんなのでたらめだ」と切り捨てるときに使います。
少し古風でユーモラスな響きがあります。アメリカでは nonsense や baloney と言うのが普通です。
That's a load of codswallop and you know it.
そんなのでたらめだって、自分でもわかってるでしょ。
1920年代(古い意味では「おしゃべりな女性、ゴシップ好き」)に使われた言葉で、おそらく「魚を扱う人」を意味するcod walloperの変形です。また「愚かな人」という意味もありました。現在の意味は1950年代後半のイギリスのコメディシリーズ『ハンコックの半時間』でアラン・シンプソンとレイ・ガルトンによって広まり、もしかすると彼らが作った言葉です。
たわ言
Don't listen to his excuses, it's all codswallop.
彼の言い訳は聞くな、それは全部たわ言だ。
③ reckon|〜だと思う
ハグリッドは、例のあの人がまだどこかで生きていると考えています。
Most of us reckon he's still out there somewhere
たいていの者は、あいつはまだどこかにいると思っとる
reckon は「〜だと思う」「〜じゃないかな」という意味で、イギリスの日常会話で think の代わりによく使います。I reckon ~ の形が定番です。
アメリカでは南部の方言のように聞こえることが多く、ふつうは I think ~ や I guess ~ と言います。
I reckon it's going to rain later.
あとで雨が降ると思うよ。
古英語の (ge)recenian「数える、述べる」に由来し、西ゲルマン語派に属します。オランダ語の rekenen やドイツ語の rechnen「計算する」と関連しています。初期の意味は「受け取った品物を報告する」「順に物事を述べる」であり、そこから「計算する」という概念が生まれ、さらに「意見を持つ」という意味に発展しました。
計算する
his debts were reckoned at £300,000
彼の借金は30万ポンドと計算された。
④ be keen to ~|〜したくてたまらない
ハグリッドは、ハリーに手紙を届ける役目を自分から引き受けたのだと打ち明けます。
I was so keen ter take on the job
この役目を引き受けたくてたまらなかったんだ
keen はイギリスでよく使う言葉で、be keen to ~ で「〜したくてたまらない」「ぜひ〜したい」という意味です。ter は to のなまりです。
アメリカでは be eager to ~ や really want to ~ と言うのが普通です。take on the job は「仕事を引き受ける」という意味の句動詞です。
She's keen to start her new job.
彼女は新しい仕事を始めたくてたまらない。
be keen to do something
〜したくてたまらない
She's keen to start her new job.
彼女は新しい仕事を始めたくてたまらない。
keen はイギリスでよく使う言葉。アメリカでは be eager to や really want to が普通。
アメリカでは:be eager to do something
⑤ It's getting late.|もう遅くなってきた
退学になった理由を聞かれたハグリッドは、大きな声で話をそらします。
It's gettin' late and we've got lots ter do tomorrow
もう遅いし、明日はやることが山ほどある
It's getting late. は「もう遅くなってきた」と話を切り上げたり、帰ると切り出したりするときの決まり文句です。gettin' は getting のなまりです。
この場面のように、答えたくない質問をかわすときにも使えます。
It's getting late, so I should head home.
遅くなってきたから、そろそろ帰らないと。
it's getting late
もう遅くなってきた
It's getting late, so I should head home.
遅くなってきたから、そろそろ帰らないと。
話を切り上げたいときや、帰りたいときに使う。
⑥ and that|〜とか
ハグリッドは、明日町へ出かける予定をハリーに伝えます。
Gotta get up ter town, get all yer books an' that.
町に出て、教科書とかを全部そろえなきゃならん
and that は文の最後に付けて「〜とか」「〜なんか」とぼかすイギリスの口語です。an' は and、yer は your のなまりです。
アメリカでは and stuff と言うのが普通です。and stuff はイギリスでも使います。
We need bread and milk and that.
パンとか牛乳とかを買わなきゃ。
and that
〜とか
We need bread and milk and that.
パンとか牛乳とかを買わなきゃ。
イギリスの口語。文の最後に付けて内容をぼかす。アメリカでは and stuff が普通。
アメリカでは:and stuff
⑦ kip|ひと眠りする
ハグリッドは自分の大きなコートを脱いで、ハリーに投げてよこします。
You can kip under that
それをかけて寝りゃいい
kip は「眠る」「ひと眠りする」という意味のイギリスの口語です。have a kip で「ひと眠りする」という名詞の使い方もよくします。
アメリカでは sleep や take a nap と言うのが普通です。
I'm going to have a kip before dinner.
夕飯の前にひと眠りするね。
まとめ
ハグリッドのせりふには、教科書ではまず出てこないイギリスの日常の口語が詰まっています。なまりを標準の形に直して覚えると、そのまま会話で使えます。
気になった表現は、カードから保存して復習してみてください。
